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山梨県

甲州市

旧塩山市 山梨郡 甲斐国
諏訪大神社 -
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村社
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甲府盆地の要衝・塩山に祀られる神社。周囲は果樹園が広がる。

塩山

 山梨県の旧国名は「甲斐国」で、その首府が「甲府市」である。
 ところが平成の大合併で、その周囲に「山梨市」「甲斐市」「甲州市」「中央市」が乱立した。これはちょっとひどいと思う。
 この諏訪大神社があるのはこのうち「甲州市」であるが、大合併以前は「塩山市」だった。これが勝沼町などと合併して甲州市と改めたものである。一帯はブドウや桃の果樹園が広がり、勝沼ワインなども知名度があるのだが、塩山市側としては「勝沼市」はダメだったのだろう。「塩山」に全国的な知名度があったとは思い難いが・・・。 

所在

山梨県甲州市塩山上井尻690
(山梨県塩山市上井尻)

創建

祭神

武身名方命(たけみなかた)
事代主命(ことしろぬし)、罔象女命(みづはのめ)
 武身名方命は、建御名方とも書き、諏訪大社の祭神である。タケミナカタとコトシロヌシはいずれも大国主の子。大国主が「葦原中原」を統一した国をつくったあと、大和朝廷の神が大国主のところへ使者を送り、国を譲るように要求した。大国主は、自分は隠居するので、あとのことは2人の息子、タケミナカタとコトシロヌシから回答を得よと答える。コトシロヌシは国譲りに承諾するが、タケミナカタは不承諾だった。使者のタケミカヅチはタケミナカタを殺そうとしたので、タケミナカタは逃げ出し、遠く離れた信濃国の諏訪の地までやってきた。そこでタケミカヅチが追い付かれ、タケミナカタは「二度と諏訪から出ないので命だけは助けてくれ」と訴えて許された。以後、タケミナカタは諏訪大社の神となった。
 ミヅハノメは水の女神で、特に井戸や灌漑の神とされている。

 ▲旧塩山市から望む富士山。
 駿河湾に注ぐ富士川を遡っていくと、甲府盆地で東の笛吹川と西の釜無川に分かれる。笛吹川はその先でまた幾股かに分かれており、本流の笛吹川の先には武田氏一族の菩提寺として有名な恵林寺があり、支流の重川を遡ると旧塩山市の中心地近くを通り、最終的には甲斐国と武蔵国の国境、大菩薩峠へと至る。

 この重川は、かつて塩山市と勝沼町の境になっていたが、両者は平成の大合併によって一つになり、「甲州市」となった。これらの川が流れる斜面地は、ぶどうや桃などの果樹園になっている。勝沼は古来からブドウの栽培地だったとも言われており、「勝沼ワイン」が有名だ。
 ▲塩山市上井尻のぶどう畑。

真夏の塩山を訪ねた。

扇状地の斜面に不規則な細い道が網目のように入り組んでいて、車での移動は不利と見て徒歩で移動した。
暑い。駅前でほうとうを食べたのも暑さに拍車をかける。
さすがフルーツ王国甲州である。

道のいたるところに美味しそうな果物がなっている。
これは瓜的ななにかだろうと思うのだが、知識がないのでわからない。
 
桃も山梨県を代表する果物である。
駅前から歩くこと約1時間。
(いろいろ寄り道した)

諏訪大神社の参道に到着。

諏訪大神社由緒
御祭神
 建御名方命(たけみなかたのみこと)
 事代主命(ことしろぬしのみこと)
 岡象女命(みずはのめのみこと)
社記に曰く、天平宝字元年(757)南方戸美神社を勧請。同四年夏大いに旱る。

朝廷より祈雨の祈祷仰付けあり、同殿に岡象女命を祭り祈祷す、たちまち感応ありて天の真名井の元の水降り給う。因ってこの時より郷名を「井尻」と云う。

亦豪雨御手洗に満ち蟹数多集り住む。よって近辺字を蟹沢池(かんぜき)と云う。今尚存せり。

創建のくだりにある「南方戸美神社」は、『日本書紀』の中で信濃国諏方郡にある「建御名方富命」を祭る神社とされている神社であり、「南方」は「ミナカタ」、「戸美」は「富」のこと。つまり諏訪神社から建御名方の神を勧請したということである。

それにしても諏訪“大”神社とはすごいネーミングだ。本家が「諏訪大社」なのだから、普通は遠慮して「諏訪神社」とか「塩山諏訪神社」ぐらいにしそうなものだが。



あまりに暑いなかを無補給で1時間も歩き続けたために疲弊したのか、
すぐ隣の白髭神社に移動するためか、写真はこれしかない。 反省。

【長野県神社庁データ】
名称 諏訪大神社 No

 

所在 山梨県甲州市塩山上井尻690 TEL
FAX
例祭日 10月15日
社格 村社
祭神 武身名方命
事代主命
罔象女命
交通 JR中央本線「塩山」駅から徒歩約32分 または 「東山梨」駅から徒歩約28分
社殿
境内  882坪27    
氏子世帯 283戸 崇敬者数 
摂末社
備考 

西暦 元号 和暦 事項 備考
             
757 天平宝字 1     「南方戸美神社」を勧請。  
761 4     旱魃のため、朝廷の命により雨乞いの祈祷が行われ、罔象女命(ミズハノメ)を勧請して合祀。  
             
             
             
     

【参考資料】
『日本歴史地名大系 山梨県の地名』(平凡社、1995)
『山梨県地名辞典』(角川書店、1984)

【リンク】
*山梨県神社庁(諏訪大神社)
*


参拝日:2010年07月28日
追加日:2017年03月09日

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