独鈷山の裾野には、さまざまな旧跡や公共施設が並んでいる。戦没学生美術館(美術の道を目指したが、戦争で出陣して帰らなかった学生たちの記録を残したもの)、上田紬の店(藤本)、前山寺、塩田の館、龍光院、塩田城跡、塩野神社、中禅寺などがそれだ。
江戸時代の寛政年間(1789-1801年)には独鈷山に西国三十三所観音を祭祀しており、この山裾の道は「観音道」とも呼ばれたそうだ。 ![]() 現在は、これらを結ぶ遊歩道として「あじさい小道」が整備されている。 ![]() ![]() ところどころは結構緑が繁っているが、 ![]() 塩田平が一望できる気分のよい道だ。途中には塩田城跡の石碑もある。 その塩田城跡を過ぎて少しすると、塩野神社の入口がある。 ![]() そこにはこんな看板が。
その「二の鳥居」があれ。 ![]() 本当は、この「走路の一番端」まで一回行って、写真を撮ってからここに戻ろうかとも思ったけれど、それだと往復400mになるし、暑いしアップダウンもあるし、熟慮の末に遠慮しておくことにした。
この上田市内には、もう一つ「塩野神社」がある。産川の左岸の支流、湯川のなかほどの保野どちうところにあり、こちらの塩野神社とは塩田平をはさんだ反対側の位置だ。そちらの塩野神社は旧村社だが、こちらの塩野神社の社格については、現地の看板など「旧郷社」とするものと、『長野県百科事典』など「旧県社」とする文献がある。 塩田平の塩野川というのは名前的に少し紛らわしい感じもするけれど、産川の上流域の支流に塩野川というのがあって、このあたりがその源流になっている。この山裾の道沿いには「塩野池」という溜池もある。 ![]() この右手の建物はなんだろう。 ![]() ![]() なにしろ実際に現地に行ったのが7年も前なので、 ちょっともう記憶があまりないのだけど、 この写真を見るとなにか木の皮的なものが収納されているようにみえる。 外壁がないところをみると、蔵的なものというわけでもないのだろうし、 よくわからない。 さて境内。 ![]() グリーンの社額が印象的。 ![]() 一の鳥居をくぐるとすぐ、塩野川を渡る「太鼓橋」がある。 これがその太鼓橋。屋根もある。 ![]() なにがどう「太鼓」なのかというと、 橋の中央を頂点として、歩く部分がアーチ型をしているのがわかるだろうか。 これが太鼓の弧を描いているようなので、太鼓橋というそうだ。 これが橋の下を流れる塩野川の源流。 ![]() この源流をもっと遡って山頂近くまでいくと、 「鷲岩」の割れ目から水が湧き出ているところがあって、 かつて塩野神社はそこに祀られていたのだという。 ![]() 社殿はなんだかゴテゴテっと、移動式要塞を彷彿とさせるような、 不安定そうなすごいなりをしている。 ![]() 下の解説によれば、これは「楼門形式の拝殿」(大雑把に言うと「2階建て」ということ)であり、 長野県内ではここと諏訪大社にしかないものだ。
彫刻と言うか、ゴテゴテ感がすごい。 ![]() ちょっと前に戻って全体像を確認し直してほしいんだけど、 2階部分の建物本体との幅と屋根の幅を比べると、 屋根が建物本体の2倍以上の幅で張り出しているのがわかるだろう。 ![]() このゴテゴテは、その張り出しを実現するための構造である。 建築用語的には「組物」というけども、 まず柱があり、その柱の上に、ちょっと外側に張り出すための部品(肘木)が乗っかっている。 その肘木に梁を渡してその上に屋根を乗っけるんだけども、 これぐらい大きく張り出すとなると、その肘木が1組では足りない。 なので、肘木の上にもう一個肘木を載せることになる。 これを「二手先」という。 ちなみにもっと張り出そうという場合には、その上にもう一個肘木を載せることになり、 それを「三手先」という。 あと、あのシールはどうやって貼ったのか。 ![]() ![]() 【長野県神社庁データ】
【参考資料】 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 【リンク】 *延喜式神社の調査(塩野神社) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参拝日:2009年06月24日 |