全国神社仏閣図鑑 |
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静岡県 |
浜松市天竜区 |
(旧)春野町 |
周智郡 |
遠江国 |
秋葉神社上社(本宮) |
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県社 |
別表神社 |
全国800社以上の秋葉神社の総本山。 |
東京の「秋葉原」は、そこに秋葉神社があることに由来する。「秋葉神社」というのは全国で「火防の神」として祀られており、その起源となるのがこの秋葉山本宮である。
所在 |
静岡県浜松市天竜区春野町領家 |
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創建 |
701年(大宝元年) |
祭神 |
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ) |
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火之迦具土神はその名の通り火の神である。単に「カグツチ(加具土命)」と書かれることもある。
『古事記』では、天地開闢の最終章でイザナギ・イザナミの夫妻神が登場する。彼らはヤシマ(=日本列島)をつくりあげ、さらに多くの子をもうけてそれが日本列島の各地の小島となる。こうした「国産み」ののち、イザナミは海の神や山の神、水の神や風の神を産む。そのあと生まれてくるのが火の神カグツチである。
ところがカグツチを産む時に、それが火の神であったためにイザナミは大火傷を負ってしまい、死んでしまう。怒ったイザナギは十拳剣でカグツチを殺す。このとき、カグツチの流した血や遺体から、さらに様々な神々が誕生する。 |
秋葉神社のある秋葉山は、赤石山脈の南の端に飛び出た位置にある。由縁は諸説あって定まらないが、いちおうは、701年(大宝元年)に行基が開山したというのが最も古い伝承である。はじめは仏教修験の山の一つとなっていた。
西暦800年頃(大同年間)に、嵯峨天皇がこの山寺へ伽藍を整備し、その際に詠んだ和歌の下の句に“秋葉の山に色つくて見え”というフレーズがあったことから、「秋葉山」と号するようになった。
これと相前後して、大同年間の伝承として、遠江の天狗「三尺坊」が白狐に乗って秋葉山へ降り立ったというものがある。三尺坊はもとは信州・戸隠の修験者で、秘法を修めたあとは全国を行脚していたが、この地へやってきたときにガマガエルが現れ、その体に「秋葉」の文字が浮かび上がっていたことから「秋葉山」とした、とする。
戦国期には甲斐・信濃の武田氏と遠江・三河の今川・松平氏の争いに巻き込まれて衰退したが、江戸時代になると、浜松に近いことから徳川家の保護を受け、三尺坊信仰が発展して「火防の神」となり、秋葉大権現として知れ渡り、全国から秋葉講と言って参詣者が来るようになった。彼らが通る道は秋葉街道・秋葉路と呼ばれるようになり、常夜灯が整備されるまでになった。
明治の神仏分離のなかで、「火防の神」は「火之迦具土大神」のことであるとされるようになった。「火之迦具土大神(カグツチ)」は、イザナギ・イザナミの子であるが、火の神であったので、出産のさいにイザナミが死んでしまう。怒ったイザナギはカグツチを殺すが、その血や肉から様々な神が生まれることになる。
「火防の神」だったはずだが、戦時中の失火で境内のほぼ全域が焼失してしまった。秋葉山の山頂付近にあった神社へは山道があるだけであり、再建も困難なため、山麓に新たに神社が築かれた。1986年(昭和61年)にようやく山上の神社が復興され、以来、山上の神社を上社(本宮)、山麓の神社を下社と呼ぶようになった。
いまも火防の守護神社として、消防士などが全国から参詣に訪れるという。
というわけでやってきた山上の神社。
入り口にはクッッソでかい鳥居と狛犬がいる。
全体が大きいのでこの写真ではスケール感を見誤ると思う。
たぶん今あなたが思っているよりもだいぶ大きい。
何枚か後に鳥居の前に人が立っている写真があるので、それで「大きさ」を確認してほしい。
しかしなんか、明らかに「魔界の入り口」みたいな気配になっている。
鳥居をくぐる前にHPとMPを全快にしてパーティーを整えて置いたほうがいい。それどころか、バイオハザードだと近づいただけで長いロードが始まってムービーのあとに中ボス戦が始まりそうなレベルだ。
とにかく鳥居がすげーでっかいわけだけど、
おそらくこの写真を見ている人たちが想像しているよりだいぶでかい。
次の写真を見ればそれがわかると思う。
鳥居の下にいる人影(観光バスの運転手)とくらべてみて欲しい。
狛犬の大きさ、鳥居の大きさが推し量れるだろう。
というわけで、この狛犬のアングルはなにも屈んで撮ったわけではない。
台座だけでも人間より大きく、普通に見上げる高さなのである。
ゴーストバスターズに出てきそうなサイズだ。
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というわけで、意を決して鳥居をくぐってすすんでいく。低スペックのパソコンでFPSやってるみたいな感じでぜんぜん向こうが表示されない。 |
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参道の両側には「常夜灯」がならんでいる。それでも低スペックPC状態は改善されないだろうけども。
どこまで行っても先が見えず、いつまでもこの状態なので、ひょっとしてドラクエみたいに同じ所をループしてる?みたいな疑念も生じてくる。 |
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常夜灯には神社のシンボルである「秋葉」の文様が刻まれている。 |
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一帯の杉の高木は「秋葉杉」という。天然の杉林と、15世紀後半(文明年間)から植林されたものがあるそうだ。 |
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霧と秋葉杉の高木に阻まれて、なにも音が聞こえない。 |
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静かで木に囲まれていてなんだか平和な感じもするが、油断はできない。
参道の外の斜面はこんな感じで、ものすごい急。たぶん、落ちたら、運良く杉の木に引っかからないかぎり奈落まで転がっていってしまうと思う。
念のため参道の山側に寄って歩いたほうが安心。 |
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階段がちょっと多くなってようやく少し変化が現れた。どうやら同じ所をループしているわけではなかったようだ。 |
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何回か階段をのぼると、ようやく少しひらけた通路に出た。
ボス戦の前、という雰囲気が濃厚になる。
装備やアイテムの残りを確認しないと。 |
ドーンとりっぱな神門が登場する。
さすがに全国各地の秋葉宮の総元締めだけあって、大きさもすごいし、装飾もすごい。
これは「西の閽の神門」と言うそうだ。
「閽」が読めないが(「門」の中に「昏」)、これで「かどもり」と読む。「門守」ということだろう。
さぞかし由緒あるのだろうと思っていたが、
調べてみるとなんとつい最近建てられたもので、
御鎮座1300年祭(709年頃の創建なので1300年というと2009年頃にあたる。)にあわせて
2005年(平成17年)10月末に造営されたものなんだそうだ。
四大聖獣が山門の四方を固めている。 |
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カメ |
ネコ |
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トカゲ |
ニワトリ |
今の御時世でも、本気だすとこんなクオリティのものができるんだねえ。
いよいよ境内に突入。
イベント発生中の町みたいに、NPCがまったくいない!
いつ戦闘が起きてもおかしくない。緊張感でコントローラーを握る手が手汗でしっとりする感じ。
敵が出現したらすぐにアイテム画面を拓いて一時停止できるように心の準備が必要。 |
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これは例の、遠くの輪っかめがけてサラを投げるミニゲーム。 |
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遠くに見えている白い輪っかが目標。
簡単そうに見えて実は難しい。ボールや小石ならば狙ったところに放物線を投げ込めばいいのだけど、皿なので、くるくる回りながらシュート軌道を描き、弾速が落ちるにつれてカーブがきつくなっていくので、そのぶんを考慮に入れた偏差射撃が必要になる。
一発目で軌道をみて、二発目で当てるのが基本だ。 |
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手水舎もエンカウントが発生しそうな気配。 |
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この石段のうえにうっすらと黄色い鳥居が見えている。
あきらかにあそこをくぐるとボス戦。社務所の前にセーブポイントがある。 |
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さあボス戦! |
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この金ピカの鳥居は「幸福の鳥居」という名前。
これをくぐった先の様子は!こんな感じ!!
ツッコミ待ちみたいな色々なアイテムがそこらじゅうに於いてある。
ゼルダの伝説だと、こいつらを押っつけて動かし、
パズルを解くと秘密の入り口が現れそう。
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「神恵岩」という黄色い岩。
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神楽殿に置かれたジュビロ磐田のすっごいでかい絵馬。
秋葉山の麓には磐田市がある。
なぜか狛犬や石灯籠がすごい白化している。
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たくさんの小祠を合祀したのだろう。向こうが見えないぐらい並んでいる。 |
これが本殿です。「拝殿」じゃなくて本殿で合ってる。
でかい。さすが総本山。
これは昭和61年(1986年)に立て直されたものだそうだ。
いろいろな説明によると、
ここで振り返ると海が一望らしいんだけど、
海どころか、すぐ近くも見えないぐらい。
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おみやげとして、秋葉神社の本を買いました。
とってもファイヤーです。
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朱印帳もゲット。 |
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お守り。 |
【静岡県神社庁データ】
名称 |
秋葉神社上社(秋葉山本宮) |
No |
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所在 |
静岡県 |
TEL |
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FAX |
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例祭日 |
12月16日 |
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社格 |
県社 |
祭神 |
火之迦具土神 |
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交通 |
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社殿 |
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境内 |
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氏子世帯 |
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崇敬者数 |
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摂末社 |
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備考 |
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西暦 |
元号 |
和暦 |
月 |
日 |
事項 |
備考 |
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701 |
大宝 |
1 |
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創建。(『略縁起』による説。) |
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709 |
和銅 |
2 |
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創建。(社伝。) |
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「岐陛保神ノ社」(キヘノホノカミノヤシロ)として鎮座。 |
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「秋葉大権現」と呼ばれるようになる。 |
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1868 |
明治 |
1 |
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「秋葉神社」と改称。 |
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1952 |
昭和 |
27 |
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「秋葉山本宮秋葉神社」と改称。 |
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【参考資料】 『静岡大百科事典』(静岡新聞社出版局、1978)
『静岡県地名辞典』(角川書店、1984)
『日本歴史地名大系 静岡県の地名』(平凡社、1995)
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